鑑賞
芸術の鑑賞は芸術家自身と鑑賞家との協力である。云わば鑑賞家は一つの作品を課題に彼自身の創作を試みるのに過ぎない。この故に如何なる時代にも名声を失わない作品は必ず種々の鑑賞を可能にする特色を
具
(
そな
)
えている。しかし種々の鑑賞を可能にすると云う意味はアナトオル・フランスの云うように、何処か
曖昧
(
あいまい
)
に出来ている為、どう云う解釈を加えるのもたやすいと云う意味ではあるまい。
寧
(
むし
)
ろ
廬山
(
ろざん
)
の
峯々
(
みねみね
)
のように、種々の立ち場から鑑賞され得る多面性を具えているのであろう。
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