わたしの愛する作品

 わたしの愛する作品は、――文芸上の作品は畢竟作家の人間を感ずることの出来る作品である。人間を――頭脳と心臓と官能とを一人前に(そな)えた人間を。しかし不幸にも大抵の作家はどれか一つを欠いた片輪である。((もっと)も時には偉大なる片輪に敬服することもない(わけ)ではない。)



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